○●前回のあらすじ●○
海斗は桜が初めて怒るのを面白そうに眺め、
「放課後桜の木の下で待ってる。そのときに。」とソッと桜の耳元で
ささやき生徒会室を出て行った。
「ぇ?」
生徒会室に残された桜は動きがとまっている。
何がなんだか分からないようだ。
いかにして二人の運命は?
第10話(最終話)
桜にしては珍しく今日の授業は
全て上の空だった。
ボケーッとして海斗が言った言葉を考えていた。
(桜視点)
海斗サン。私に何の用なんだろう。
しかし、どうして海斗サンってあんなに
私のこと親身になってくれるんだろう。
(通常視点)
そんなことを考えながら過ごしていると、
アッという間に放課後になり・・・・・。
桜は桜の木の下に急いで向かう。
そこには、もう木にもたれかかって海斗が待っていた。
「待たしてしまってすいません。」と桜が言う。
「全然そんなの気にしてないよ。それに、俺が呼んだんだし。」と
海斗がサラッと言う。
今日の海斗はやけに落ち着いて大人っぽい。
シン
一瞬の沈黙。
「さてと。本題に入りましょうか。」と沈黙を破ったのは
海斗でした。
「えぇ。」と緊張した面持ちで桜は頷く。
「俺・・・・
―――――サーッ
一陣の風が吹く。
桜の髪が桜の花びらと共にサラサラとたなびく。
「桜サンのことが好きです。付き合ってください。」それは
海斗には珍しくストレートな言い方だった。
「ぇ・・・?」桜は驚きを隠せない様子。
風はまだ止まらない。
桜の花びらもハラハラと舞い落ちる。
「桜サンを見たときからもう好きになってました。
で、副会長になって少しでも桜サンといたくて
立候補した。多分俺は直感で分かっていたんだと思う。
会長はほんとは強くて弱い人間だって。
自分を傷つけるって。それは俺の予想通りだった。
会長と接するにつれ、俺には会長の悲しみや寂しさが
伝わってきた。俺が支えてあげたい。だから、お願いします。」
海斗が頭を下げる。
「私と海斗サンは釣り合いませんよ?
私は残酷で汚い人間。でも、海斗サンは潔白な人間。
釣り合いませんよ?私は海斗サンには傷ついてほしくありません。
だから、そんなこと言わないで下さい。
嬉しいですけど、やっぱり無理ですよ。」桜が泣きそうになりながら言う。
「ほら、そうやって泣く。桜サンは釣り合わないのが嫌なんでしょ?
釣り合わなくてもいいじゃないですか。
第一釣り合わないって決めるのは誰ですか?
俺達が満足してたらいいじゃないですか。
俺は桜サンは汚いなんて思ったことないです。
優しくて繊細で誰よりも人のことを思いやる。
ただ少しだけ人間づきあいが下手ってとこかな?
桜サンの悲しみや寂しさは全て俺が取り除いてあげます。
幸せにします。桜サンにいっときもそんな気持ち
もたせません。だから、お願いです。」
海斗は必至になって言う。
「こんな私でいいんですか?」桜が海斗の顔をおそるおそる
除きながら顔を真っ赤にさせながら言う。
「もちろん。桜サンがいいですから。」と海斗がニッコリ笑う。
「じゃ私からも。好きです。海斗サンのことが。
海斗サンが私のことを分かってくれた時から、
廊下で会った時から好きでした。
こんな私でよければ付き合ってください。」
桜がうつむきながら言う。
「桜って呼んでいいか?」海斗が桜の頬をソッと触って言う。
「はい。私も海斗でいいですか?」と桜が海斗の目を見て言う。
「おぅ。でも、その敬語俺の時はやめろ。」いつもの口調で
海斗が言う。
「分かった。」とでもまだ恥ずかしそうにうつむく桜。
「桜。」海斗が優しく言う。
「ん?」と桜が顔を上げる。
―――――チュッ
―――――カァ///
風が二人を優しく包む。
二人の顔は真っ赤だ。
桜の花びらが舞う中で
二人は優しくキスをしながら
抱き合っていた。
照らし出される太陽の中の
桜の木の下でシルエットとして・・・。
始まりは桜の木から。
これはきっと運命だったんだね。
桜の花びらが入ってくる中の廊下で
出会い、
桜の木の下で結ばれた。
そして、極め付きは名前が桜。
完璧女でも素顔は本当はすごく寂しがりな女の子。
完璧男で誰よりも桜のことを分かっている男の子。
今日めでたくカップルになりました。
どうぞお幸せに。
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